宮崎市で全国大会開幕 新聞で主体的学びを

宮崎市で開幕した第27回NIE全国大会

 教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の実践報告をする第27回NIE全国大会が4日、宮崎市で始まった。大会スローガンは「いまを開き 未来を拓(ひら)く NIE」。新型コロナウイルス対策で、昨年と一昨年がオンライン実施だったため、今回は3年ぶりの対面開催となる。きょう5日まで。

 日本新聞協会の丸山昌宏会長は開会式で、今春から成人年齢が18歳に引き下げられたことに触れ「子どもの頃から社会への参画意識を持てるよう、世の中の出来事に関心を持ち、多様な意見や視点に触れることが大切だ」と述べた。

 続いて教育関係者と高校生らが「NIEで伸びる力、伸ばす力」と題し、パネルディスカッションを行った。宮崎県立宮崎西高校1年の高村心花さん(15)は、中学時代の記事スクラップの取り組みが、社会を知り、自分の意見を持つきっかけになったと紹介。「新聞は情報の信ぴょう性が高く、そうした良さを伝えていくことでNIEの輪が広がっていくと思う」と述べた。

 大会に参加した井川義務教育学校の照山辰徳教諭(26)は「新聞は子どもたちが主体的に学ぶ上で有効なツールだと感じた。学校生活でもっと触れる機会を増やしていきたい」と話した。

 このほかリチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェロー(74)による記念講演も行われた。

 会場には、各地のNIEの取り組みを伝える資料が展示されたほか、タブレット端末で秋田魁新報が読める「さきがけデータフレンズ」など、新聞各社が学校向けに展開するデジタルサービスの紹介コーナーも設けられた。

 きょうは、同市内で公開授業や実践報告などを行う。

(2022/08/05 秋田魁新報掲載)