森吉山の記事、魅力的な見出しは 教員ら、新聞の活用法学ぶ

検討会で質問に答える志田教諭(中央)=秋田市の秋田魁新報社

 学校の授業などに新聞を活用する「NIE」について理解を深める「NIE研究会」が4日、オンラインで開かれた。県内の教員や新聞関係者らが参加し、新聞記事を使った実践報告などを通し、学校での新聞の活用法を探った。

 県内でのNIE活動を進めようと、教育関係者や新聞社、通信社でつくる県NIE推進協議会(会長・外池智秋田大教授)が主催した。

 研究会は「『主体的・対話的で深い学び』を生かしたNIEの授業」をテーマに行った。実践報告では、羽城中学校(潟上市)の志田裕子教諭が、秋田魁新報社NIE・読者交流部の藤原佐知子記者とともに行った、記事や写真を基に見出しを付ける授業や、新聞に投稿する意見文を書く授業について発表した。

 このうち、森吉山の紅葉の写真に短い記事を添えた「スケッチ」に見出しを付ける授業では、生徒が記事と写真の意図を読み取り、限られた文字数の中で正確に記事を表現し、読む人を引きつける見出し作りに取り組んだ様子を紹介。志田教諭は「作り手からの助言に、生徒も教員も学ぶことがあった。スピーチ活動など日常の中で取り入れられる活動もあり、これからも取り組んでいきたい」と語った。

 続いて行われた検討会で、外池会長は「論拠に基づいて意見を書くことや、作り手が授業に参加することで記事を書いた意図や背景を詳細にやりとりできること、メディアに参加することで当事者意識を持てるなどの意義がある授業だった」と述べた。

 参加者からは「見出しを考える授業は難しいと聞くが、生徒の楽しそうな様子を見て感心した」「投稿文を書く授業では、新聞と授業がマッチしていた」などの意見があった。

(2021/12/05 秋田魁新報掲載)