新聞で思考力高めよう 大館東中、朝読書に本紙活用

新聞を熱心に読む大館東中の生徒

 大館市の大館東中学校(小林寿校長、363人)は17日、授業開始前の朝読書の時間を活用して新聞を読む活動を始めた。昨年度も行っており、本年度は24日までの計5日間行う。視野を広げ、思考力を高める狙いがある。全校生徒が当日の秋田魁新報に約15分間目を通し、最も印象に残った記事の感想を書いた。

 3年E組では生徒が感想を発表。横手市で48時間降雪量が史上最多を観測したとの記事に「まだ12月。この冬はどれだけ降るのか不安」、京都アニメーション放火殺人事件の容疑者の起訴については「罪のない36人の命を奪い、家族も悲しませた。しっかりと罪を償ってほしい」との声が上がった。

 菅義偉首相が大人数での会食をしたことに関して反省したとの記事を取り上げた生徒は「国民に大人数での会食を控えるよう呼び掛けておきながら、首相が実践していない。政治家は口だけなのか」と不満を口にした。

 最後に担任の根本大輔教諭(43)が「新聞は現実と向き合う鍵をくれる。5日間の取り組みで自分を表現することにつなげてほしい」と呼び掛けた。

 学級委員長の佐藤美俐さんは「新聞では社会の問題を詳しく知ることができる。一つの物事をさまざまな視点で考える能力を身に付けることに役立てたい」と話した。

(2020/12/18 秋田魁新報掲載)