「新聞活用、重要性増す」 NIE全国大会、オンラインで実践報告

第25回NIE全国大会で行われたシンポジウム=22日午後、東京都内

 教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の実践報告をする第25回全国大会が22日、東京都内で開かれた。「ともに生きる 新聞でつながる」をスローガンに、新型コロナウイルス対策としてオンラインで開催し、講演などがライブ配信された。来年の大会は札幌市で開く予定。

 日本新聞協会の山口寿一会長は開会式で「児童生徒の資質、能力を育む生きた学びが期待されており、新聞はそのような学びを深めるために最適であると確信している」と述べた。

 講演した作家の真山仁さんは「知らないことを知る、疑問を感じ考えるきっかけとして新聞は使いやすい。学校でも新聞をきっかけにしてほしい」などと呼び掛けた。

 日本NIE学会の第17回大会も同日、オンラインで開催。「ウィズコロナ時代にNIEで培う力~ともに生き、つながるための資質・能力」をテーマに、全国大会との共同シンポジウムが開かれた。

 都立青山高の本杉宏志主幹教諭は、沖縄県知事選を扱った全国紙と地元紙の記事を読み比べた授業を紹介。「オンラインで現地の高校と結んで意見交換すると、さらに考えが深まっていくのではないか」と、オンライン学習の可能性に触れた。

 都内の小中高校の教員らが発表する分科会は、事前に撮影した動画をオンデマンド配信する方式で開催。世田谷区立船橋希望中は、区独自の教科「日本語」で、新型コロナに関する新聞記事を題材に学校への影響や自分の気持ちの変化などを考える授業の様子を報告した。

 オンラインでシンポジウムや分科会を視聴した仁賀保高の石澤宏基教諭は、「新型コロナウイルスの影響による臨時休校などで学習スタイルが一変した中、どの教科でも自宅にいながら学べる、新聞を使った学習の重要性は増している。今後、電子版を含めた新聞の活用が増えていくと感じた」と話した。

(2020/11/23 秋田魁新報掲載)