新聞を学校の授業などで活用する「NIE」について理解を深める「県NIE研究会」が9日、秋田市の秋田魁新報社で開かれた。県内の小中学校、高校の教員ら約40人が参加。新聞記事を読み比べる模擬授業を通して新聞活用の方法を探った。
研究会は、県内の教育関係者や新聞社、通信社でつくる県NIE推進協議会が毎年開催している。今回のテーマは「NIEの授業で『主体的・対話的で深い学び』を生かし『見方・考え方』を鍛える」。初めに協議会の阿部昇会長(秋田大大学院教育学研究科特別教授)が「NIEは対話的な学びと親和性が高い。新聞の読み比べを通して多角的に見て考えることにつなげたい」と狙いを述べた。
模擬授業は、由利本荘市教育委員会の大庭珠枝指導主事が、小学校高学年の国語の授業を想定して実施。教材には、ナマハゲを含む8県10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことを報じる地方紙と全国紙の記事(昨年11月30日付)を使った。児童役となった参加者らは、題字を伏せられた2紙の記事を読み比べ、各紙が対象とする読者の違いが、記事や構成の違いにつながっていることなどを学んだ。
授業後の検討会では、「写真や見出しに絞って比べる授業なら小学校中学年でも実施できそう」「(新聞の題字を伏せるなど)児童に迷わせることで対話が生まれた」などの意見が出された。