NIE全国大会が閉幕 デジタルで新聞、習慣に

NIE全国大会の公開授業で意見を出し合う京都市立西京高付属中の生徒たち=2日、京都市

 京都市で開かれた第29回NIE(教育に新聞を)全国大会は2日、デジタル版を通して新聞を読む習慣を育む実践などを報告し、2日間の日程を終えた。スローガンは「探究と対話を深めるNIE デジタル・多様性社会の学びに生かす」。来年は神戸市で開催する。

 京都市立西京高付属中の国語の公開授業では、太平洋戦争の背景などを理解するため、戦争体験者の証言や、日米の思惑を戦後に振り返った複数の記事を扱った。2年の松田航輝さん(13)は学習端末でデジタル版を読み、日本に有利な戦況を喜ぶ市民もいたと知った。「さまざまな意見に触れて時代を多面的に捉えることができ、考えが深まった」と話した。

 京都教育大付属桃山小の井上美鈴教諭(40)はデジタル版を使って6年の授業で毎週、お気に入りの記事を発表する時間を設けてきた。紙の新聞を読む習慣がない子どもたちが学習端末を通して記事を読むようになったと紹介した。

 同小の実践報告を聞くなどした岩城小(由利本荘市)の山岡誓子教諭(51)は、「さまざまな先進的な取り組みを知ることができた。ここで得た学びを学校に持ち帰り、今後の実践に生かしたい」と話した。

 大会実行委員会の位藤紀美子顧問は閉会式で「日常生活での活用にはまだ課題がある」と説明。日本全体でNIEを盛り上げていきたいと強調した。

(2024/08/03 秋田魁新報掲載)