日本新聞協会は12日、家族や友人と新聞記事を読んで話し合った感想をまとめる第13回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の審査結果を発表した。本県からは、大曲高校(大仙市)の木村夏響(かのん)さん(3年)の感想文が優秀賞に輝いた。
木村さんが選んだのは、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策として「侮辱罪」を厳罰化する改正刑法が施行されたことを伝える7月7日付本紙の記事。厳罰化のきっかけとなった女子プロレスラーの自死に衝撃を受けたといい、感想文では「厳罰化は絶対に必要」と主張。一方で厳罰化で表現の自由が脅かされるとの指摘もあることから、「誹謗中傷」と「正当な批判」の線引きはどこなのか、と考えを巡らせたという。
共に記事を読んだ母親は「正当な批判は事実に基づくが、誹謗中傷は主観で攻撃することだと思う」との見解。木村さんはこれを踏まえ、感想文で「匿名だからといって自分の発信内容の責任からは免れることができない」「ネット上では物事を一方向から見るのではなく、多角的視点を持って考えるべき」などとつづった。
3回目の応募で初入賞となった木村さんは「これをきっかけに、私の身の回りの同世代の仲間も新聞に関心を持ち、一緒に考えるきっかけになったらうれしい」と喜びを語った。
同コンクールは全国の小中学生と高校生らが対象。国内外から5万6998点、うち本県からは622点の応募があった。受賞の内訳は、最優秀賞3点、優秀賞30点、奨励賞118点。優秀学校賞は15校、学校奨励賞181校だった。
木村さん以外の本県の受賞者、学校は次の通り。(敬称略)
▽奨励賞=鷹嶋寿怜(西目中1年)、高橋音羽(大曲高2年)▽優秀学校賞=横手明峰中(横手市)▽学校奨励賞=大曲高校