鷹嶋さん、吉方さんに優秀賞 「新聞コンクール」感想文

優秀賞を受賞した鷹嶋さん

 日本新聞協会は21日、家族や友人と新聞記事を読んで話し合った感想や意見をまとめる第12回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の審査結果を発表した。本県からは、由利本荘市の西目小学校6年の鷹嶋寿怜(ちさと)さんと、能代高校1年の吉方春花さんがそれぞれ優秀賞に輝いた。

 本県初の2年連続受賞となった鷹嶋さんは、1月6日付本紙の「高齢者『雪に殺される』」という見出しの記事に注目。初めにこのショッキングな見出しを見た時、「大雪と命」が結び付かなかった鷹嶋さん。実際に現場を見ないと分からないだろうと言う両親と共に、湯沢市に住む祖父の元へ向かった。そこでは、道路脇の雪の壁に強烈な圧迫感を受け、祖父からは、毎日何回も雪寄せをしたり、屋根に上って雪下ろしをしたりしているという厳しい実情を聞いた。さらに、高齢者らを助けている除雪ボランティアの記事を読み、みんなの温かい思いが広がっていることに感動。「私も手を差し延べられるよう、人の気持ちに寄り添いたい」と結んだ。

 鷹嶋さんは、「最初に(優秀賞受賞を)聞いた時は、うれしいという気持ちと信じられないという気持ちで混乱した。毎回協力してくれる両親のためにも、次は最優秀賞を手にしたい」と語った。

優秀賞を受賞した吉方さん

 一方、吉方さんが選んだのは、8月26日付本紙の「他人からの『母さん』違和感」という見出しの記事。この記事を読み、自分自身が固定観念に敏感になっていたことや、母親の意見から、もう少し「寛容」に生きてもいいのではないか、と思う自分もいることに気付いた。そして、「大事なのは、誰と関わる際にも相手を思いやる気持ちを忘れないことではないか」とまとめた。

 吉方さんは「初めての応募で受賞できるとは思わなかったので、とてもうれしい。ポイントとしていた、自分の考えと母親の考えの比較をうまく表現できた。また挑戦したい」と意欲をのぞかせた。

 同コンクールは全国の小中学生と高校生らが対象。47都道府県から計6万4513点、うち本県からは747点の応募があった。受賞の内訳は、最優秀賞3点、優秀賞30点、奨励賞120点。優秀学校賞は15校、学校奨励賞197校だった。

 鷹嶋さん、吉方さん以外の本県の受賞者、学校は次の通り。(敬称略)

 ▽奨励賞=菅原苺波(大曲高1年)、高崎萌々恵(同2年)▽優秀学校賞=横手明峰中▽学校奨励賞=大曲高

(2021/12/22 秋田魁新報掲載)