NIE全国大会が閉幕 新聞読み比べ、違いを発見

NIE全国大会で公開授業をする前野翔大教諭=1日午前、神戸市

 「時代を読み解き、いのちを守るNIE」をスローガンに神戸市で開かれた第30回NIE(教育に新聞を)全国大会は1日、記事の読み比べで学びを深める実践などを発表し、2日間の日程を終えた。来年は広島市で開催する予定。

 公開授業では、兵庫県姫路市立豊富小中学校の6年生が、岩手、茨城、静岡、福岡4県の地元紙が発行する子ども新聞の東日本大震災に関する記事を読み比べ、どのような違いがあるか考えた。

 児童は見出しや写真に着目し、「被害を少なくしたいというのは同じだけど、地域によって伝えたい思いが違う」などと発表した。前野翔大教諭(38)は「違いを通じて、発信者の思いや意図を理解してもらえたら」と話した。

 愛徳学園中(神戸市)の3年生は、広島への原爆投下や平和について小学生に伝える新聞作りに取り組んだ。広畑彰久教諭(40)は「自分たちの言葉で発信することができた」と意義を語った。

 書評合戦「ビブリオバトル」のように、児童が関心を持った新聞記事を紹介し合う公開授業を見学した明徳小(秋田市)の大堤光教諭(27)は「記事を読んで驚いたことや、伝えたいことを発表し合うことで、児童の考えが広がっているのを実感した。全国大会で学んだことを学校でも共有し、実践していきたい」と話した。

(2025/08/02 秋田魁新報掲載)